制服は学校のアイデンティティを象徴するとともに学校全体のイメージを形成します。
新しいデザインやスタイルを取り入れることで、学校の現代性や進取性をアピールします。
また制服が変わることで、生徒たちが学校に対してより前向きでモチベーションが高まることも期待できます。
デザインのモデルチェンジと併せて、新しい素材による快適性や機能性の向上。環境にやさしい素材の導入や、多様性を尊重するデザインの変更も可能です。
愛知県学校服協同組合では、制服のモデルチェンジについて、ゼロからご支援いたします。

制服制定までのスケジュール- Schedule -

スクールユニフォームのモデルチェンジにおいてスケジュールは大切なものです。
より良い新スクールユニフォームを創るために、どのようなことを検討し、どういうスケジュールで進めていけばモデルチェンジがスムーズに進行するか、その手順をご案内いたします。

Step.01モデルチェンジする時期の決定

いつモデルチェンジをするのかを事前に決定します。

Step.02スクールユニフォーム検討委員会の設置

モデルチェンジ進行する上での実務をされる中心メンバーを決めます。
先生方で構成され、教頭先生や生活指導部長の先生が委員長になられるケースが多いようです。
スクールユニフォーム検討委員会

Step.03情報収集・分析

スクールユニフォームを検討される際に、スクールユニフォームに関する様々な情報を収集し、分析することをおすすめします。

  • 学校情報学校の方向性の確認、スクールカラー、通学状況、等
  • 地域情報地域の特性、気候、等
  • スクールユニフォーム情報
    ・近隣校の状況
    ・近年のモデルチェンジ傾向
  • リサーチアンケートの実施
  • ・現行スクールユニフォームの不満点・問題点
    (デザイン・カラー・素材・機能面・お手入れ、等)
    ・新スクールユニフォームへの要望

Step.04モデルチェンジの方向性を検討・決定

スクールユニフォームに対する要望を固め、方向性を決定します。

  • 採用アイテム
  • デザイン・カラー・素材等についての要望
  • 機能面・価格面(目安)での要望
  • スクールユニフォームにもとめるイメージ

制服モデルチェンジの企画のようす

Step.05デザインのご提案

方向性に応じたデザイン画を数パターンご提案致します。
数社に依頼してご検討することも可能です。

Step.06ファーストサンプルのご提案

ご希望に応じたデザインを数点選んで実際に製品にいたします。
外見だけでなく、縫製仕様、素材など細部にわたってご検討頂きます。
制服制作

Step.07基本デザインの決定

ご提案している提案サンプルより、一番御校のイメージに合うデザインを頂きます。
(校内に展示し、先生や生徒の皆さんの人気投票をとる学校もあります)
基本デザインの決定

Step.08細部デザインについての打合せ

基本デザインをもとにして、具体的なデザインについて話し合いを行います。
細部デザインについての打合せ

Step.09修正サンプルの提出・確認

お話し合いした内容をもとに再度サンプルをお作りいたします。
ご確認お願いします。
制服制作

Step.10新スクールユニフォーム決定

冬服・合服・夏服すべてのアイテムについて決定します。

Step.11お披露目

お披露目の方法として下記のような方法がございます。

  • 文化祭等のイベントにて発表
  • メディアへの発信
    ニュースレターを作成し、記事掲載が可能になるよう新聞社などに送付
  • 新スクールユニフォームパンフレットの作成
    パンフレットを作成し、近隣中学校へ新スクールユニフォームのPR

Step.12採寸・納品

生徒の皆様全員が間違いのない制服を着用して頂けるように細心の注意を払います。

Product completedご入学・ご着用

制服検討委員会のメンバーについて

検討委員会のメンバーをどこまでの範囲にするかは各校の事情や考えによって異なります。
一般論としては、範囲を広げると意見がまとまりにくくなる可能性が高くなり、範囲を狭めると決定後に異論が出る可能性が高くなります。

学校長、副校長(教頭) 決定責任者
生徒指導部、家庭科教諭 検討の主体、実行部隊
在校生代表 生徒視点の意見を反映できるが、
自身が着ないため無責任な決定を行うケースも
PTA 購入者の意見を反映できるが、
価格最優先となってしまう傾向も
OB、OG 伝統校では意向を重視しすぎて大幅な変更が難しいケースも
販売店 制服を継続して運用するための意見を反映できる
メーカー 検討している案を実現するための意見を反映できる

選定方式について

制服モデルチェンジの方式は、選定過程や決定後の販売形態によって大きく3つに分けることが出来ます。

①一括縫製方式
②マスターメーカー方式
③①②折衷方式

それぞれメリット・デメリットはありますが、どの方式を選ぶ際も公平性の確保と競争原理が働くことが重要です。

①一括縫製方式

  • 学校が「デザインコンペ」を開催し、メーカーを決定する
  • 決定メーカーと学校でデザインや仕様を決定する
  • 販売店は決定したメーカーから商品を仕入れ、販売する
メリット

  • 均一した製品を納入できる
  • 各メーカーの独自の素材等を導入しやすい
デメリット

  • メーカーによる再販売価格の拘束が起こりやすく、値上げ等メーカーサイドで決定される
  • 販売店間の競争原理が働きにくい
  • 販売店によっては特定のメーカーと取引がなく不利な条件となる可能性がある
  • 1社に限定し製品、納期等に問題がが出た場合責任の所在が問題になる可能性がある

再販売価格の拘束
商品の供給元が小売業者の売価変更を許容せず、定価販売を指示すること。 再販売価格の拘束は、流通段階の自由で公正な競争を阻害し、需要と供給の原則に基づく正常な価格形成を妨げて消費者利益を損なうため、独占禁止法で禁止されています。

②マスターメーカー方式

  • 学校が「デザインコンペ」を開催し、マスターメーカーを決定する
  • マスターメーカーと学校でデザインや仕様を決定し開示する
  • 学校とマスターメーカーは販売を希望するメーカーの製品を審査する
  • 販売店は仕入れを希望するメーカーから商品を仕入れ、販売する
メリット

  • メーカー間、販売店間の競争原理が働く
  • 販売店は自社の取引先を利用することができる
  • 販売店が価格を決定でき、販売店間に競争原理が働き価格を仰制できる
デメリット

  • マスターメーカーに選定されても取扱販売店が無い場合が起きる可能性がある
  • メーカー独自の素材等が使用しずらい

③①②折衷方式(愛知方式)

  • 学校が「デザインコンペ」を開催し、マスターメーカーを決定する
  • マスターメーカーと学校でデザインや仕様を決定し開示
  • マスターメーカーは一定期間(例3年間)は一括方式で縫製・供給を行う
  • 一定期間後販売店の希望があればマスターメーカー以外から供給を受けることができる
メリット

  • メーカーは一定期間後に新規参入の可能性があるので価格等についてメーカー主導で決定しずらくなり、または販売店間の卸価格に差を付けずらくなる
  • メーカー間、販売店間の競争原理が働き価格の抑制が期待できる
デメリット

  • 一定期間後に新規参入の希望がある場合学校とマスターメーカーにて製品検査をする

(注)
いずれの場合も試作にかかる費用はメーカーの負担とし、決定したデザインの権利は学校に帰属する旨事前に参加各社につたえることが必要です。


メーカー各社は当然1社独占縫製を希望し1社であれば価格が抑えられる、デザインコンペをすれば公取よりの勧告に違反しないなど根拠のない説明をしたりしますが本来特別な事情(過疎地等生徒数が少ない等)がない限り縫製も販売も複数とし競争原理が損なわれないようにと公正取引委員会及び文科省の資料にも記されております。

  • 公正取引委員会「公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告」
  • 文部科学省「学校における通学用服等の適正な取り扱いについて」
  • 弁護士法人大江法律事務所(大阪)の上記報告書内容についての留意点を参考に(公認)愛知県学校服協同組合でまとめたものです
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